甘い匂いに誘われて…
「多分、あんたと部長二人を知っている人の半分は、二人は付き合ってると思ってるわよ??」



「ゴフッ!!」




危うく口の中のナポリタンをリバースするところだった。






「そんな馬鹿な。
だって、ただの上司と部下だよ?勘違いする要素、何処にもないじゃない。
ビックリさせないでよね。」



焦る気持ちを誤魔化すように、コップの水を一気飲みした。





「はぁ。」



そんな私に一つため息をついた知織は、あからさまに呆れ顔。





「じゃぁ聞くわ。
もし書類を部長に持って行くとして、あんたならどうやって持ってく?」




机に方肘をついて、指先だけでフォークに巻き付けていく知織。




「どうって…
普通に持って行くよ。」



というか、この質問に何の意図が込められているのかが把握出来ないんですが。



「いやいや。
あんたの普通は、他の人にとっちゃ普通じゃないから。
気づいてないのは部長とあんたの当人だけよ。
まぁ、原因は部長にもあると思うけどね。」




と、いいますと?
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