甘い匂いに誘われて…
「だって…」




そう言いながらクルッと椅子を回し、体ごと私の方を向く。


そのまま両手を私の頬に持ってくると、口内の空気を押し出した。



「莉乃が淹れるコーヒー、俺大好きなんだもん。」




そう、私の目を覗き込む様に言う。

甘い甘い、特上の微笑み付きで。





今だ手は私の頬に添えられている。
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