甘い匂いに誘われて…
キスされる。


そう思った瞬間、私は思わず固く目を閉じた。






「……。」



しかし一向にされる気配はなく、ゆっくりと目を開けていくと。



「アデッ。」



キスではなく、デコピンが降ってきた。






「確かに、君と二人っきりになりたかっただけなのかもな。」



そう言いながら離れて行く彼は、まるで何事もなかったかのようにコーヒーを啜りだした。
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