屍を越えてゆく
俺の名は、ない。
物心ついたときから薄汚い路地裏にいて、
生きるためにはスリも殺しもした。
初めて人を殺したのは八才。
捨てられていた果物ナイフで男を刺した。
血に汚れた自分の手のひらを見て、俺はなにを思ったのかはおぼえていない。
それからは、たくさん殺した。
そして
「君、殺し屋にならない?僕にとっての邪魔な人間、殺してよ。もちろん報酬は払うさ」
俺は殺し屋として雇われ、
主人ができた。
それが十才のとき。