『A』
「呼オォォォォ………」
氣の流れは目に見えない、だが、端から見ていて、燕の体内でドンドン氣が充実していくのがわかる。
本当に、亮が待っているのをいいことに、無尽蔵に無遠慮に、燕は氣を練り上げていく。
次第に燕の回りの空気が、膨張し熱を持ち出す。
一発の極上のミサイルをセットした燕は、今正にそれを発射せんとしていた。
「………氣は満ちた…
受けてみよ大塚亮!
猛る虎の一撃を!!」
燕が接近して来る!
それを、正面から見据え迎撃に備える亮。
「猛虎…」
右脚で、満身の力を込め震脚し…
「硬爬山っ!!」
右の順手で、中段への掌底を放って来た!!
「っ!?」
(力が…いなされ……)
その稲妻の一撃を、化勁で以て受け流す亮。
がら空きになった相手の脇腹に向かって…
「猛虎…硬爬山っ!!」
今見た技を、そっくりそのままお返しする!
「ぐはぁっ!」
猛る虎の一撃を受けた燕は、大地に叩き付けられ、今度こそ、立ち上がること叶わなかった。
亮が放った虎の一撃は、龍を地に落とし、ここに、闘いの決着を迎えた…。