『A』
 
「フム…臭いな
ヒメ、ちょっとその人物のことを調べといてくれないか?」

「吉村淳美…ですね
了解です」

「さてお二方、護衛の依頼ということだが…
今までに…、何かあったのか?」

「………はい、兄が亡くなった後、後継ぎがいなくなったので、一度は勘当された僕がなることになったのですが…
その日以降、何度か事故に会ったり…地下鉄で突き飛ばされたり…」

「地下鉄で…か、恐らく同一犯…
フン、ワンパターンな奴だな…」

「護衛の件、引き受けて頂けますか?」

「断る」

「「えっ!?」」

まさか断るとは思っていなかった一同、全員声をハモらせて驚く。

「話を聞いてみたところ…、私達は、君が死ぬまで護衛しなければならない羽目になるんじゃないか?」

「確かに、一定期間だけ守り切っても、相手が諦めるわけはありませんし…」

「つーわけで、護衛の依頼ではなく“護衛+犯人の捕獲の依頼”
これなら引き受けようじゃないか、どうだ?」

「あ……、ありがとうございますっ!!」
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