『A』
………
「フム、美味かった…
なかなかの腕だな、山田さん
…クリームの中に僅かだが苺のジャムが混ぜてあるだろう?」
「わ、凄い!
よく気付きましたね」
「フッ、伊達に貝原先生の美食CLUBのメンバーの一人じゃないぞ…、私は」
「キョーコ、ネタが危険です」
「美味しいジャムを近くのパン屋さんで買ったので…裏ごししてクリームに混ぜてみたんです」
「素晴らしい…
そうだ、おいヒメ
山田さんからケーキの作り方を習ってみたらどうだ?」
「!それは…ナイスですね
ナツコ、よろしくです」
「え?あ…ハイ」
「フム、じゃあ、今後の流れだが…
山田さんには、今日からウチで暮らして貰う
そして、鷹橋は、吉村さん宅に居候…で、各自いいかな?」
「はい…よろしくお願いします」
「あの…着替えとか取りに帰りたいんですが…」
「ああ…みかん!一緒に付いていってやってくれ」
「らじゃー」
「………ついでに、ケーキの材料も買って来い」
「ラジャー!!」
先程より返事がいい美柑、甘い物恐るべし。
「では行きましょうか、吉村君
車でお送りしますよ」
「あ、ありがとうございます」
「山田君と美柑も…途中まで送りますよ」
四人が事務所を出て行く、それを見送りながら…
「これは…デカイおもちゃが手に入りそうな予感?」
一人ニヤリとほくそ笑む響子、その笑顔は、完全に悪者のソレであった。