『A』
 
………

3分…経っただろうか?

50人以上はいたであろうチンピラの群れが、全て道路に倒れていた。

「およ?もう終わり?
……オジさん達弱過ぎ」

「凄い………美柑」

「ま、この程度はできないとね〜」

「し、信じられねぇ…
なんだ…この…女…」

一人、倒れてはいるが、なんとか気を失っていない男が一人いた。

「オ、オジさんタフだねぇ」

「寄るんじゃねぇ!
このバケモノがぁっ!!」

「バケ………モノ?
………ホォ〜〜〜
この、うら若きレディに対して…そんな口聞いちゃうんだ??
ホォ〜〜〜…」

「ヒ、ヒィッ!」

バンッ!!

「っ!!」

懐に潜ませていた拳銃を抜き放ち、美柑目掛けて発砲する。

それを………

キィン!

と、これまた懐に隠していたナイフで、弾き落とす美柑。

「な…なぁっ?!」

美柑の動態視力はハンパではない。

高速で飛来する弾丸が、まるでスローモーションのように見える程だ。

迫り来る弾丸をナイフで弾き落とす程度、美柑にとっては造作もないことだった。

「女の子に向かってテッポーまで使うなんて…
オジさん…覚悟はできてるみたいだね…?」

「ギ………ギャアー!!」
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