『A』
 
なんだか、申し訳ないことをしたなぁ…と、思ったので、次の日こそはと、ケーキを買いに行きました。

その日も、彼女はいつもの笑顔で接客してくれました。

何か話したいな…ふとそんなことを思ったので、話し掛けようとしたんですが…話題が浮かびませんでした。

その日から、昼食はそこのケーキになりました。

お、美味しかったからですからね!

…何ニヤニヤしてんですか?

まぁ、そんな日々が続いて…ある日、彼女がお店にいなかった時がありまして。

その日のケーキは…何故か美味しくなくて。

その時気付きましたね…“ああ、僕はあの子が好きなんだ”って。

美容院に行って、友人に服を借りて、お店に行きました…。

デートに誘おう…まずはそこからだ、って。

今日、必ずデートの約束を取り付ける!僕は意気込んでました。

お店に入って、彼女を見た時、頭の中が真っ白になって…

「僕とデートに行きましょう!!」

なんて叫んでました。

あちゃあ〜、やっちゃった…なんて考えてたら…

「は…はい」

って…

って!!

………

やったー!!!

僕は、飛び上がって喜んで、震える指でなんとか携帯の番号をメモった後、お店から飛び出してしまいました…。
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