『A』
◇
私の名前は、宇那木剛(うなき たけし)、サラリーマンだ。
今は、社運をかけたプロジェクトの会議の為、アメリカ行きの飛行機に乗っている。
私が行かなければ会議は始まらない、否、会社が倒産すると言ってもいいだろう。
まぁ、そんなことはありえないがね、向こうに着いてからはまた忙しい日々が待っている、とりあえず、今は一眠りしようかな…。
「はーい、皆注目!」
…なんだ?
うわっ!ピンク色の髪、派手だなぁ〜
それに…
なんだ!?
あのけしからん乳は!?
揺れてるじゃないかっ!
「え〜今から、この飛行機をハイジャックしま〜す
つーわけなんで、全員機内から降りてね〜」
………
………
…え?何言ってんだ?
「今言ったことはガチ本気、自分で降りないなら………」
バンッ!!
「力ずくでも降りて貰いま〜す」
え…アレ?
今の…拳銃??
え?!
「コレ、ぶち込まれたくなかったら、30秒以内に降りてね〜
い〜ち、に〜ぃ………」
………
「「…ウワアァァァァ!」」
悲鳴を上げながら逃げる客達…当然だ。
だが、だが私は…会社の為に、逃げるわけにはいかんのだ!!
断じて!
断じて暴力には屈さないぞ!
エリートサラリーマンのプライドにかけてっ!!