『A』
 
       ◇

私の名前は、宇那木剛(うなき たけし)、サラリーマンだ。

今は、社運をかけたプロジェクトの会議の為、アメリカ行きの飛行機に乗っている。

私が行かなければ会議は始まらない、否、会社が倒産すると言ってもいいだろう。

まぁ、そんなことはありえないがね、向こうに着いてからはまた忙しい日々が待っている、とりあえず、今は一眠りしようかな…。

「はーい、皆注目!」

…なんだ?

うわっ!ピンク色の髪、派手だなぁ〜

それに…

なんだ!?
あのけしからん乳は!?

揺れてるじゃないかっ!

「え〜今から、この飛行機をハイジャックしま〜す
つーわけなんで、全員機内から降りてね〜」

………

………

…え?何言ってんだ?

「今言ったことはガチ本気、自分で降りないなら………」

バンッ!!

「力ずくでも降りて貰いま〜す」

え…アレ?

今の…拳銃??

え?!

「コレ、ぶち込まれたくなかったら、30秒以内に降りてね〜
い〜ち、に〜ぃ………」

………

「「…ウワアァァァァ!」」

悲鳴を上げながら逃げる客達…当然だ。

だが、だが私は…会社の為に、逃げるわけにはいかんのだ!!

断じて!
断じて暴力には屈さないぞ!

エリートサラリーマンのプライドにかけてっ!!
< 150 / 401 >

この作品をシェア

pagetop