『A』
 
………

ふぅ〜ニャんとかまいたかニャ?

あ〜こわかったニャ。

「ウゲ」

ニャ?

「朝から黒猫に会うなんて…なんか嫌な予感がするさね…」

こいつ…ニャにいきニャりしつれーニャこといってるニャ?

くろって…アンタのあたまもくろいろニャ!

まったく!

とっとといくニャ!あ〜イライラする。

       ◇

「どこ行きやがった!?
あのクソ猫がぁっ!」

キョロキョロと辺りを見回す響子。

「お!
見付けたー!!」

獲物を発見した響子は、猛然と走り寄り…

「オラァッ!」
「いきなりっ!?」

いきなり、シャイニングウィザードなんて大技をブチかました。

※シャイニングウィザード
名プロレスラー武藤〇司の必殺技で、片膝をついた相手の立てた膝に片足で跳び乗り、もう一方の膝を相手の顔面に叩き込む技だ、大変危険なので、チビっ子はマネすんな!

突然の事態に対処しきれなかった貫は、綺麗な土の字になって倒れる。

「…って、いきなりなんばすっとかキサン!!」

「うるさい!
私が機嫌が悪い時に現れた、自分の不幸を呪え!」

「そ、そげん理屈……アベシッ!」

「このっ!このっ!
ストンピング!
ストンピング!」

地面に倒れた貫の顔面を、容赦なく踏みつけ続ける響子。

………

「ハァ…ハァ…
………ハァ〜
あ〜すっきりした
………堀田ぁ、ちゃんと遅刻せずに来いよ」

スッキリ顔の響子は額の汗を拭い、煙草に火を付けながら去って行った…。

「あんまりだ………
やっぱり…なんか嫌な予感がしたんさね…」

トホホ、と、貫は呟き、ヨロヨロと立ち上がり、フラフラと歩き出した。
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