『A』
工場
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1番古い記憶は、幼い身体には不釣り合いなライフル銃で、射撃訓練をしている自分。
巨大な壁で囲まれ、外の世界から完全に隔絶された空間。
そこは、正に工場だった。
少女と同じ位の年頃の身寄りのない子供達を集め、一流の兵士に育て上げ量産する…工場。
およそ戦場で使うことは全て叩き込まれた。
銃器の扱い…
格闘術…
爆発物の扱い…
スネーキング…
サバイバル知識…
暗号解読…etc…
苛酷な訓練の毎日、それに耐え切れずに次々と減っていく仲間。
訓練を始めて一年もした頃には、少女は童貞を捨てていた――初めて人を殺すこと――。
いつしか、苛酷な訓練に耐え抜く為、頭の中は真っ白になっていた。
身体に叩き込まれた技術をただ状況に合わせて使うだけの、機械のようになっていった。
だが、辛い日々にも光はあった。
一つ目は、夕食にたまに出てくる、一切れのオレンジ。
アレを楽しみにしたおかげで、少女は幾度か訓練を乗り切れた。
そして二つ目は、いつまでも忘れることはない、少女の最初で最後の友達…
No.00524と呼ばれる少女だった。