『A』
 
「お?マメタロウ!
おっはよ〜」

「おはようございます、桃戸さん」

「おう」、と片手を上げ返事を済まし、ドッカとソファーに座り込む女性。

起きたばかりなのだろう、寝癖がつきまくっている。

……が、全く気にする様子はない。

まぁ、流石に毎朝寝癖頭を見られていたら、気にはとめなくなるか……。

キチンと朝起きて来るだけ、誰かさんよりマシ、かな。

ピンクの髪を掻き上げる動作と共に、小柄な身体には似つかわしくない、豊満な胸がブルブルと揺れる。

基本おおざっぱな人で、上は下着を付けずにシャツ一枚。

下は短パンで、年頃な僕としては、朝一で見るには少し刺激が強過ぎる……。

美人というよりは可愛い系の彼女、桃戸美柑(ももと みかん)。

僕より年下だが、男勝りで迫力ある性格と、職場の先輩ということで、どうにも頭が上がらない……。
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