『A』
――音もなく、空から少女が降って来た。
「………え?ヘブシッ!」
敵接近の報を受け、十二分に警戒していた大国の兵士達だったが…この、裕に高さが30mはあろうかという塀を、跳び越えて侵入して来る敵等、あまりに想定外で、何の抵抗もできずに、一撃のもとに倒されてしまう。
少女は、門の周りにいる兵士だけを素早く倒し…
「腕力…限界突破!」
爆発的に高めた腕力で門の閂部を殴り壊し、巨大な門を、力任せにこじ開けた。
「ヒャッホー!!」
門が開いた瞬間、銃を乱射しながら、ジープが1台突っ込んで来る!
「お疲れ様です!さ、乗って!」
爆走するジープは少女を拾い上げ、敷地内を縦横無尽に駆け回る。
「ミゲル達の敵討ちだ!」
少年が、拳を力いっぱい握り込み、単身ジープから飛び降りて敵陣に殴り込みを掛ける!
二手に別れ、暴れ回る侵入者達。
単身丸腰で、銃弾を躱しながら戦う超絶格闘能力を持つ少年。
巧みな操縦技術で、攻撃を避け続けるジープ。
その上に乗った二人の傭兵が撃ち続ける弾丸の雨は、やむことなく正確に、敵を撃退する。
………