『A』
◇
数に物を言わせて、施設内部の防衛をする兵士達だったが、まさかのジープに乗ったままの突入に、バリケードは全く意味を為さなかった。
たった二人の侵入者達に、簡単に進攻を許してしまう…。
少女は例によって、機関銃のM60の二丁機関銃で、次々と敵を蹴散らして行く。
最新の装備で固められた、最強であるはずの兵士達は、彼等の進攻を、ほんの数瞬たりとも止めることはできなかった。
………
「ここはあらかた片付けましたね…
次のフロアへ行きましょう」
タキシード姿のエレガントダンディは、少女にそう告げると、ジープを階段に向けて走らせる。
男の超操縦技術を以てすれば、ジープで階段を上ること等、朝飯前だった。
ガタガタと揺れながらジープは階段を上る上る。
最後の段を上りきって、再び彼等は、殲滅戦を開始する。
守るべき対象である基地を失ったことが、彼等のこの、爆発敵攻撃力を開放するという結果へと繋がったことは、大国にとっては実に皮肉なことだ。
為す術もなく倒されていく兵士達。
彼等は止まらない…この基地を全て破壊し尽くすまでは…。