『A』
 
………

「…おや、これは…」

戦闘機のところに辿り着いた三人であったが、男の様子が少しおかしい。

「困りましたね…こんな平地から飛ぶには、滑走距離が短すぎます…
少し、派手に暴れ過ぎましたかね…」

本来、滑走路となるべきスペースには、彼らが暴れて壊した塀や、施設の壁、戦車や戦闘機の残骸がちりばめられていた。

「滑走路がありゃいんだろ?
なら、こいつらをどかしちまえば…」
「駄目!
時間がかかり過ぎるよ…」

少女が少年の言葉を遮って発言する。

「つっても…他に方法は…
ジープももうガス欠なんだろ?
自分の足で走って逃げるか?」

「ううん、私に任せて…
二人は早く機体に乗って」

「………!
そうか…そういうことですか…」

「タカさん、信じてるからね…」

「ええ、必ず、三人揃って脱出しましょう」

「???
なんだかよくわかんねぇけど…任したぜ!」
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