『A』
「………ん?
そういや大塚はどうした?姿が見えないが…」
「そういえばいませんね…」
「リョーは多分、サボってパチンコしてるです
今日依頼が来てないのは知ってますから…」
「あいつめ…ふざけた真似を…
フン、少し懲らしめてやるか
ヒメ、ちょっと出掛けて来る!
スマンが…店開けといてくれ」
「了解です」
店とは、『A』事務所1階にある、元々は響子が趣味でやっていたものだ。
今では、あの吉村カンパニーをも吸収・合併した大会社、ハーモニー(株)の本店でもある。
扱っている品物は、他の支店と違い、全て美那海響子お手製のオリジナルの一品達。
そのジャンルは実に幅広く、怪しげな発明品に始まり…陶器、書、絵画、人形、パソコン、車の部品、日常生活用品、同人誌、やたら凄いデータが入ったゲームのメモリーカード等と、その種類の多さから、彼女の多才さが伺える。
ただ、響子がかなりの気分屋な為、たまにしか開店しない。
この本店は、知る人ぞ知る幻の名店と、一部のみに知られている。