『A』
――ここ綾瀬食品研究所も、そういった研究をする施設の一つだ。
この研究所の研究テーマは…
『最新のコンピューター以上の処理能力を有する個体の生産』
どんなに頭の回転が速い人間でも、コンピューターの処理速度には敵わない。
例えば、そろばんをしている人間は、計算速度が常人よりも遥かに速い。
だがとてもではないが、コンピューターには敵わないし、もっと言ってしまえば、500円かそこらで売られている、薄っぺらい電卓。
そんなものにすら、人間は敵わないのだ。
計算が複雑になればなるほど、その差は顕著になる。
どれだけ頭を鍛えても、人間はコンピューターの処理速度には敵わない。
ただし、それは通常のやり方でアプローチをした場合だ。
通常のやり方で届かないのなら、裏技を用いるしかない。
裏技、つまりは特殊技能。
そこで…人間が、コンピューターの処理速度を上回る手段として考え出されたのが…。
特殊技能《絶対記録(パーフェクトアルバム)》だ。