『A』
 
「今どき怪盗って……
フフフ、面白そうな奴だな……
そそられたぞス〇ライダムーっ!
その男、会ってみたい!」

お気に入りの漫画のキャラの真似をしながら、響子がGOサインを出す。

「では、この依頼を引き受けますね
依頼内容は、狙われた品を守り切ること
……お!
ファイルに予告状が同封されてますね、見てみましょう」


┏━━━━━━━━┓
┃本日2100    ┃
┃「幻の聖杯」を  ┃
┃いただきに   ┃
┃参ります    ┃
┃諸君!私を   ┃
┃止められるもの ┃
┃なら、止めて  ┃
┃みたまえ!   ┃
┃     ジャム┃
┗━━━━━━━━┛


「……なかなか挑発的な予告状だな、ますます面白い」

「彼自身がかなり派手好きな人物のようですね
盗む時、必ず一度は姿を見せないと気が済まないようです」

「この幻の聖杯というのは?」

「所長、本当、新聞位読みましょうね」

匠は軽くため息混じりに窘めるようにポツリと呟く。

「今、○○美術館でやっているエジプトの神秘展の目玉ですね
……ふむ、いつも奇抜なものを盗むジャムにしては、至極まともな品ですね」

「今日の21時だったよな?
よし、20時にヒメ以外は現地集合、それまでは各自自由、堀田は奴をとっ捕まえる作戦を考えておけ」

「はい」

「では、解散!」
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