『A』
「へぇ、こんなところにパン屋なんてあったんだな……
“チョキグーパン店”か、ギリギリのネーミングだな、魔女に怒られるぞ
……たまには、そうだな、パンでも食べるかな」
カランコロン
「アァー〜ッハハハハ!
いらっしゃいませぇ!」
いやにテンションが高い店員に迎えられ、店内へと入る貫。
入った瞬間、鼻孔をくすぐる焼きたてのパンの香り、香りを嗅いだだけで、味わうまでもなくパンの美味さが伝わってくる。
こいつは当たりかな?なんて考えながら、商品を物色する。
あんパン、食パン、カレーパン、色々な種類のパンがあり……どれも、凄く美味そうだ。
「……ん?」
少し、パン屋にしては珍しいコーナーがある、いや、まぁ、パン屋以外には存在すらしないだろうが。
“手作りジャムコーナー”と銘打たれた一角が、レジの横にあった。
しかも、かなりの量だ、店内のかなりの部分のスペースをとっている。
しげしげと珍しそうに眺めていたら、先程の金髪の店員に声をかけられる。
「ジャム……欲しいですか?」
「え?あぁ、いや
その、パン屋にこんなにジャムがあるのは珍しいなと思いまして……
コレ、全て手作りなんですか?」
「ウィ、ごもっとも」