『A』
「ホムン…クルス?」
「古くは錬金術を祖とする人工的に作り出された生命体のことを指す…
その外見は自由に設定できる
人に近付けて作ったのは、その方が管理しやすいから、少女の容姿にしたのに深い意味はない…」
「………」
「ソレがこの世に生を受けて、何年経っているか知っているか?」
「………」
亮は、先程の話を理解するのにいっぱいいっぱいで、男に返事をする余裕等なかった。
「ま、知る筈もないか
ソレが活動を始めて、実はまだ3年も経ってはいないのだ」
「なっ?!」
「僅か3年で、人がそこまで成長するか?いや、しない
クツクツクツ
わかったろう?
ソレは、人間ではない」
「………」
声が出ない。
何か返答しようにも、一体何を言えばいいのかわからないからだ。
そんな亮の様子を見て、男は眉間に皺を寄せたままニヤつく。
「!…そうだ
一つ面白い話をしてやろう」
思い立ったかのようにそう言い、男はニタ〜ッと不気味に笑った。