『A』
 
「待っていてくれ、時間はかかるが、必ず世界を変えてみせる」

「ウチが止めても、もう行ってしまうんやろうね、あなたは
でも、仕方なかね
ウチは、あなたのそのまっすぐなトコに惹かれたんやからね」

「まっすぐ?私が?」

「そう、誰よりもまっすぐで純粋やから、裏切られて傷付いた時の怒りや絶望が大きいんよ」

「そう…なのかな?
うん、君が言うのなら、そうかもしれない」

「頑張って
それがあなたの生き甲斐になるんやったら、もうウチは止めんけん」

「ああ、やるさ
私がこんな“能力”を持って生まれたのは、きっとこの為だ
私なら、否、これは、私にしかできないことなのだ」

「………」

「創造の前には破壊が必要だ
まずは、破壊だ
破壊と混沌の内からこそ、新たな世界が生まれるのだ!」

「………」

「…私は不器用な男だ、こんなやり方しか思い付かない
さらばだ、真矢
息災でな」

「うん」

「貫を、頼んだぞ」

「うん」

「真矢、私は、君を愛している」

「うん」

「君の為に、私は世界を生まれ変わらせてみせよう!」

………………

………
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