『A』
「【この世界を、君達はどう思う?
今回、私がこういった手段を取ってまで君達に訴えたいこととは…
この世界が
いかにくだらなく!
いかに無意味で!
いかに無価値で!
いかに退屈で!
いかに狂っていて!
いかに矛盾で!
いかに不自然で!
いかに不純で!
いかにつまらなく!
いかに唾棄すべきものかということだ!
私はこのことを…、声を大にして訴えたいっ!!
いいか、考えてもみたまえ
毎日が喜びに満ち、刺激的で、新鮮で、自分以上の人生を歩んでいる者は他にはいないと!
胸を張って言える者はいるか?!
いやしないだろう
一部の人間のみが飽食を尽くし、その影で飢えて死ぬ者がいる…
ヘラヘラと怠惰な日常を過ごす者の影で、今日にもまた戦争は起こり人が死ぬ
そんな、かりそめの平和の中で生きる矛盾
その矛盾を作り出したのが、人が人を縛り人を裁くという、神に抗う最も矛盾した存在…“法”だ
今の君達の姿は、人の本来の姿ではない
人とは本来
もっと汚く…
もっと狡猾で…
もっと卑怯で…
もっと我が儘で…
もっと凶暴で…
もっと自由で…
もっと…もっともっと!
もっと面白い生き物の筈だっ!
私はな!
変えてやりたいのだよ!
この、世界を!
私のことを狂っていると思うか?
クツクツクツ
い〜や、違う…
狂っているのは…この、世界の方だっ!!
民衆よ、立ち上がれ!
己が思うままに振る舞え!
己がしたいことを、己がしたいようにやれ!
法を恐れるな!
誰一人として守らなければ、法等存在しないも同じだっ!!
好きなように暴れろ!
殴れ!犯せ!殺せ!奪え!
犯罪を犯すことを恐れるな!
涜神の法等、無くしてしまえ!
本能のままに生きろ!
やりたいことをやれるという、悦楽の美酒に酔いしれろ!!
さぁ、皆でこの世界を変えようじゃないか!?
人生を謳歌せよっ!!】」