『A』
◇
「今回の依頼は、人質にされた要人の救出です
本日2015時に、〇×ビルに押し入って来た賊9名に、同ビル8階にて会議中だった議員13名が人質にされています」
依頼内容を、所長である響子に伝える貫。
「立て篭もっている犯人からの要求は以前ありませんが、9名全員が銃火器で武装しており、非常に危険といえます」
「ん…あ、あぁ」
「って…所長!
今あんまり聞いてなかったでしょ!?」
「聞いてた聞いてた」
「…ホントですか?」
「ホントホント…
証拠にホラ」
バララララララララ
と、音を立て近付いて来るヘリコプター。
操縦するのはタキシード姿の紳士。
中には、既にスタンバイ済みの男と女。
「準備万端だろ?」
ニッと、歯を見せた後、響子はヘリに飛び乗る。
「ホラ、お前も来いよ、堀田!」
ヘリから差し出されている響子の手をしっかり掴み、貫はヘリに乗り込んだ。
二人の姿を、白い少女が下から見上げている。
貫が乗り込んだことを確認し、ヘリが上空に飛び上がる。
そうして、街の全貌をヘリから見下ろし…
「どんな事件かは知らんが…
『A』にこなせぬ依頼はない!」
響子は、自信たっぷりにそう言い放った。
バララララララララ
THE FIRST ACT END
TO BE NEXT ACT