『A』
 
「………さて、怪盗ジャンガリアン…だっけか?」

[それはハムスターです、キョーコ]

「ジャムだ!怪盗ジャム!
そこ1番大事だろ!?」

「ああそうだ、ジャムジャム、はいはい
…え〜っと、怪盗ジャム
ウチの大塚とやり合える等、なかなかの身体能力だ
こいつは頭悪い分喧嘩強いからな…
…が、私達を同時に相手にするのは不可能だ
諦めろ」

「………2対1…
いや、3対1…か」

美柑が狙撃してきたビルをチラリと一瞥する怪盗ジャム。

銃弾を受けた際、その角度で狙撃ポイントを割り出したのだ。

確かに、利き腕をやられた上に、相手には狙撃手までいる。

更に、突然現れてデカイ口を聞く女、立ち振る舞いから、一筋縄ではいかないことが容易に想像できる。

「ま、私としては抵抗してくれた方が面白い、のだがな」

響子は下顎を突き出し、煙草を上に傾ける。

そして、懐から取り出したグローブのようなものを装着し出す。

「所長…なんだそりゃ?」

「よくぞ聞いてくれた!
つい昨日出来たばかりの新商品!
“スタングローブ〜大往生〜”だ!」
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