『A』
 
「でも、幻の聖杯、持って行かれちまったじゃねぇか!」

「ああ、安心しろ
おまえとあいつがやり合ってる間、聖杯を偽物にすり替えておいた
………本物は…ホラ、ここにある」

「………いつの間に」

「フン、いくら私でも、怪盗が現れた後にジャソプを立ち読みに行くわけないだろう」

「え?あ、うん
そう、そうだよな」

「………貴様…
まさか私が本当に立ち読みしてた等と…」

「おおお、思ってないってば!
そんなこと、ちっとも思ってないってばよぉっ!」

「………」

「………」

無言で睨む響子に対して、ヒクヒクと引き攣った笑いを浮かべる亮。

「………フン、まぁ許してやろう」

「………ホッ
……と、ああ、ちなみに、何とすり替えておいたんだい?」

「ん?私が作った陶芸の器だ
なかなかの出来だったんだがな…
まぁ、奴にくれてやるさ…努力賞だ
………よし、引き上げるぞ!
みかん、ご苦労、下りて来て構わんぞ」

[あいあい]

[………]

「ん?ヒメ、どうかしたか?」

[出番…なかったです
トール嘘付いた]

「………あ〜、うん、そうだな
…よし、後で二人で堀田をいじめよう」

[あ、私もした〜い!]

「俺も!
むしゃくしゃするから、誰でもいいから殴りてぇ!」

「よし!
じゃあ皆で寄ってたかって、堀田をいじめるとするか!」

[はいです]

[キャハ!楽しみ♪]

「うぉーし!二〇の極みの刑だぁっ!」

「うんうん、これぞチームワークというものだな」

と、なにやら嬉しそうに頷く響子。

「ああそうだ、ついでにスタングローブ試してみるわ」

………

「………、!?」

「どうかしましたか?
堀田君」

「いえ…なんか急に背筋がゾクッと…
………?」

その時、いじめられっ子の本能か…貫の背筋が、妙にゾクッ!としたらしい…。

貫に明日はあるのか!?
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