『A』
………どうしようか?
当然助ける!
見てしまった以上放ってはおけないし…なにより、生の猫に触れる、またとないチャンスだ。
さて…では具体的にどうしようか?
………
〜作戦1〜
『知り合いに助っ人を頼む!作戦』
プルルルルルル…
プルルルルルル…
「………駄目…繋がらない………そっか…
皆仕事中なんだ…
…今暇なのは………
………
…誰もいない…か」
一人、頭の中に浮かんできた小柄な人物がいたのだが…役に立たないと判断されたようだ。
〜作戦2〜
『木を登って助ける!作戦』
「よし…がんばる!」
………ズル、ペタン
………ズル、ペタン
………ズル、ペタン
「………」
何度も、しがみつきはするのだが…登るという動作にいくまでに、力尽き地面に落ちてしまう。
人一倍優れた頭脳を持つ彼女だが、運動神経は綺麗に根本からプッツリ切れてしまっていた。
「リョーなら、パパッと登っちゃうんだろうな…」
己の無力さに嘆き、半ば諦め始めた石姫…、だがここで、猫がニャ〜〜と、絶妙のタイミングで鳴く。
「………まだまだ!」
再び闘志を漲らせ、なんとかして猫を助ける方法はないかと、石姫は再び思案する。