『A』
勁とは…体内に巡る氣、その流れのことである。
拳法に於いては、この勁が非常に重要視されており、攻撃の威力を勁力とも言う。
氣と言われると少し難しく感じるが、簡単なところでいくと、例えばボクシングで正しいパンチのフォームを身につける為、何度も反復練習をする。
そして、正しいフォームを身につけた時、最初とは比べものにならないスピードとパワーのあるパンチが放てるようになる。
これが、勁力が上がったということだ。
地面を蹴る力、腰を、肩を回す力、そして、腕を伸ばす力、それらが上手く循環していれば、良い勁力であると言える。
氣の概念は非常に難しいので、ここではこれ以上の説明を省く。
ただ、中国拳法と他の武術とを敢然と隔てるものは、この、氣の概念にあると断言できる。
さて、では本題の化勁とは、勁、すなわち敵の攻撃力を“殺す技術”のことだ。
相手の攻撃を直接ガチンコで受けずにいなす、つまり、相手の攻撃の威力を弱め消すのだ。
優れた化勁を身につけていれば、どんなに攻撃力のある者が相手でも、決して怖くはない。