退屈しのぎだったのに、いつしか君を愛してしまった。
「私…お父さんが…」
佑月は、何が起こったのかを正直に話してくれた。
その時…
初めて知ったんだ。
佑月のお父さんが亡くなっていたこと…。
そのお父さんの為に
新メンバーに入ったこと…。
そんな事情が…
あったなんて。
俺は退屈しのぎに
佑月に近づいたことを…
ひどく恥ずかしいと思った。
「佑月…ごめん。やり直そう」
「……陽斗さん?」
キョトンとしてる佑月の手をいきなり握った。
ちっちゃ。
女の子の手って…
こんなに小さかったっけ?
手を握るのなんて
初めてじゃないのに。
佑月に対しては…
いつだって初めてのように感じるのは何でだろう。
テストが解けても、
成績が良くても。
この問題は難しい。
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