恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
梨香はそれをちゃっかりやってのけながら、
まったく自覚がないわけだ。
まるで小説の主人公みたい。
羨ましい。
まあ、そこに愛が芽生えるかどうかは
わからないけれど。
私は足を気にして、
この日はあまり飲まずに帰宅した。
いや、足を気にしてというのは建前で、
本当はこの二人に愛が芽生えるように、
邪魔者は早めに退散、というのが正しい。
店にはお客さんが増えてきたけれど、
私がいるのといないのでは、
きっと違うと思うから。