恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 梨香はそれをちゃっかりやってのけながら、

 まったく自覚がないわけだ。

 まるで小説の主人公みたい。

 羨ましい。

 まあ、そこに愛が芽生えるかどうかは

 わからないけれど。

 私は足を気にして、

 この日はあまり飲まずに帰宅した。

 いや、足を気にしてというのは建前で、

 本当はこの二人に愛が芽生えるように、

 邪魔者は早めに退散、というのが正しい。

 店にはお客さんが増えてきたけれど、

 私がいるのといないのでは、

 きっと違うと思うから。

< 101 / 280 >

この作品をシェア

pagetop