恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
とか言いつつも、自然と顔がにやけてしまう。
「折れたりしてなくて良かったよ。だけど怪我をさせてしまったのは俺の責任だからね」
「いえ、そんな。私がボーっとしていたから……」
そんな会話を、松口課長が冷たい目で見ているようだった。
それを察した彼は急かされているような気になったのか、
「今日は俺、早く帰れるんだ」
「え?」
「家まで送るよ。ついでに食事でも、どうかな?」
こんな展開……
まさに期待通り!
「はい、喜んで」
私の夢が、ググッと近づいた瞬間だった。