恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 とか言いつつも、自然と顔がにやけてしまう。

「折れたりしてなくて良かったよ。だけど怪我をさせてしまったのは俺の責任だからね」

「いえ、そんな。私がボーっとしていたから……」

 そんな会話を、松口課長が冷たい目で見ているようだった。

 それを察した彼は急かされているような気になったのか、

「今日は俺、早く帰れるんだ」

「え?」

「家まで送るよ。ついでに食事でも、どうかな?」

 こんな展開……


 まさに期待通り!

「はい、喜んで」

 私の夢が、ググッと近づいた瞬間だった。

< 103 / 280 >

この作品をシェア

pagetop