恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~



 そして仕事が終わる時間。

 鼻歌交じりに化粧直しをして、

 香水を付け直す。

 準備は万端。

 痛む足は避けながら、

 だけど軽い足取り。

「お疲れ様でした~」

 意気揚々と管理課の部屋を出ると、

 どこからか戻ってきていた大輔と出くわした。

 大輔は私を見るなり思いっきり眉間にしわを寄せる。

「お前、下心が顔に出てる」

「はぁ? 下心?」

 顔に出てるって、

 男じゃあるまいし。

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