恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 そこまで考えて、

 大輔が言った「下心」という言葉が頭をよぎる。

 考えたこともなかったけれど、

 私にもあるんだろうか。

 なんだか自分がとてつもなくエロい女だと言われた気がした。

 バッグを抱く腕に力がこもると、

 陣内係長がくれたスイーツの香りがした。

 心をくすぐる甘い香り。

 願わくば、彼との関係も同じくらいスイートなものになりますように。

 それが下心?

 上等よ。



 タクシーが止まった。

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