恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~




 久々にヒールの靴を履いて出勤すると、

 松口課長にこう言われた。

「鴇田さん、背、伸びた?」

 足が治ったからヒールを解禁したと告げると、

「あらそう。じゃあ、これお願いね」

 と仕事を手渡された。

 私がちょっと頑張ったくらいじゃ

 給料が増えたりすることはないんだけど、

 今日も頑張ろう。

 そう思ったときだった。

「ねえ。鴇田さん」

 声の方向に振り向くと、

 大輔だった。

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