恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「鴇田さん、これ、営業部に持っていってくれない?」

 向かいのデスクから、

 ポンと手渡されたファイル。

 松口課長はしたり顔だった。

 最近陣内係長と仲良くしているのに勘付いて、

 気を利かせてくれたのかもしれない。

 やるじゃないですか、課長。

「了解しました、行ってきます!」

 イケメン上司ではなかったけれど、

(年の割には)美人上司なだけはある。

 こっそり本人に聞いたところによると、

 彼女は今年で40になるそうだ。

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