恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「これ、依頼されていた稟議の書類です」

 手渡すと、江藤さんは書類の中身を確認して

「確かに、受け取りました」

 と一礼。

 一仕事終えた私が引き返そうとすると、

「あの」

 と呼び止められた。

「鴇田さん、ですよね?」

「ええ、そうですけど」

 私より少し背の低い彼女は、

 真顔で私を見つめている。

「あの、失礼ですが……」

 き、きた……!

「北川さんとは、どんなご関係ですか?」

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