恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 大輔はみるみる不機嫌になっていく。

「はぁ? 嘘ついてるときの顔って、何だそれ」

 どう説明して良いかわかんないけれど、

 何かと聞かれたらその顔だと答えるしかない。

「良いじゃない、教えてくれたって」

「だから何もないっつってんの」

 強情な彼に、私もちょっとイライラしてきた。

 もしかしたら話したくないのかもしれないけど、

 江藤さんは知ってるのに私が知らないっていうのは

 ちょっと悔しい。

「あっそ」

 拗ねてしまった私を見て、

 大輔はため息をつく。

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