恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 この日の帰り、陣内さんからのメールもなく、

 健吾の店で夕食を食べようとぼんやり考えながら

 駅へ向かって歩いていたときのこと。

「ゆめ!」

 大輔が後ろから追ってきていた。

「メシ行かね?」

「えー、あんたと?」

 陣内係長だったら良かったのに。

 ちぇ。

「嫌ならいいけど」

「嫌ではないけど」

「仕方ねーからおごってやるよ」

「ほんと? じゃあ行く」


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