恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「なに?」

 あんたが陣内係長だったら良かったなって

 思っただけよ。

「別に」

 すぐに視線を下ろした。

 何度見たって、大輔は大輔だ。

 連れてこられたのは、

 昔よく行ってた居酒屋ではなかった。

 メニューを見るとどうやらイタリアンらしい。

 テーブルごとにキャンドルが置かれていて、

 いかにもカップル向けのお店だ。

「こういう店、男同士じゃ入りにくくてさ」

「ふーん」

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