恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~




 陣内係長は、今日も切れ長の目を穏やかに細めて

 私に笑いかけてくれる。

「今日はごちそうさまでした」

「いえいえ、遅くまで連れまわしちゃってごめんね」

 そう言ってくれるけれど、

 私はまだまだ一緒にいたいくらいなのに。

 もう何度も食事デートをしているけれど、

「付き合おう」

 という話にはならなかった。

 ちぇ。

 この人、実は意外とオクテなんだろうか。

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