恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 その時、

 ピピピピピッ

 陣内係長の電話が鳴り始めた。

「あ、ちょっとごめん」

 彼は一言謝って、数歩私から離れた。

 少し遠くで話しているのが聞こえる。

 一分少々話をして、

 電話を切りながらこちらに戻ってきた。

「ごめん、ちょっと急用が入っちゃった」

 ええっ?

 こんな時間から?

「そうですか……」

「ほんと、ごめんね」

「いえ、気にしないでください」

 なーんだ。

 つまんないの。

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