恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~



 私が課長とオフィスに戻ると、

 大輔は私のことなんて気にも留めていない様子で

 電話を受けながらパソコンを操作していた。

「あの人はオススメできない」

 どんな気持ちであんなこと言ったんだろう。

 私たちはもうとっくに別れているのに、

 私に憎まれ口を叩かれてまでわざわざ忠告するなんて。

 今更になって、怒って帰ってしまった自分が情けなくなった。

 私、やっぱり男を見る目ないんだなー。

 この日は課長の話が心に重く突っかかっていて、

 思うように仕事が進まなかった。

 その結果しばらくの残業をして、

 やっと退社したのは午後8時。

< 168 / 280 >

この作品をシェア

pagetop