恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
大輔と約束している人にも悪いことしたな。
今ごろ怒ってるだろうな。
気付いたって、もう遅いのに。
「ごめんなさい」
何だか何もかもが申し訳ない。
人事異動があって毎日顔を会わせるようになったけれど、
私たちはきっと再会するべきじゃなかった。
「ゆめ」
私を呼ぶ声は、思ったより穏やかだった。
直視できなかった大輔の整った顔は、
真顔のまま。
「なんだ……それだけ?」
コクりと頷く。