恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~




 とあるビルの化粧室。

 麗しの超絶美女、梨香は唇にリップグロスを塗りながら

「ふーん」

 と返してきた。

「元カレ、まだあんたのことが好きなのよ」

 私はその言葉にドキッとした。

「まさか」

 再会してからというもの、散々からかわれたり嫌味を言われたりしてきた。

 まあ、確かに私のために身を削ってもらったこともあるけれど、

 その可能性を考えたことはなかった。

「で、その係長とはどうなったの?」

「うーん、特に変わりはない、かも」

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