恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「ところで梨香」

 メイク直しを終えたところで、

 私は気になっていることを聞くことにした。

「健吾とはどうなの?」

 梨香は手に持っていたグロスをポロリと落としてしまった。

 キャップが閉まっていて良かった。

「な、何よ急に」

「だって、気になるじゃん。多少」

「別に、あたしたち付き合ってるわけじゃないし」

 あれ?

 梨香、ちょっとうろたえてる?

「付き合ってるようなもんじゃない」

「付き合ってないから」

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