恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
適当に話をしながらちびちびカクテルを飲む。
「ゆめ、今日はペース遅いな」
健吾がグラスを交換しながら言った。
「まあねー」
絶対に飲みすぎちゃいけない。
だって、イケメンさんとご対面なんだから。
男性客の一人のバカ話で盛り上がっていると、
もう一人の携帯が鳴り出した。
「あ、ちょっと待って」
電話に出ると、どうやらイケメンさんらしい。
この店の場所を説明している。
「着いたって。俺ちょっと迎えに行ってくるわ」
私の目の前に座っていた方が席を立ち、
王子をお迎えに。
私は手櫛で髪を整え、気合いを入れる。