恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~
そしてしばらくすると、話し声が聞こえてきた。
「はあ? 女がいるなんて聞いてねーぞ」
「まあまあ、ホントに可愛い子だから」
ん?
ちょっと待て。
この声、聞いたことがあるような……。
「お待たせー」
男に引っ張られるようにして入ってきたイケメン。
彼を見た瞬間、私はついつい
「げっ」
と声を漏らしてしまった。
「え? ゆめ?」
二人のイケメンのお友達とは、大輔のことだった。
「二人とも、知り合いなの?」
梨香は首を傾げる。
私は梨香にだけ聞こえる声で言った。
「例の、元カレです……」