恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

「風邪ひくぞ」

 目を開けると、大輔だった。

 梨香が絶賛していたスーツのジャケットが

 私にかけられている。

「ひかないもん」

 と言いつつ、その温もりを堪能する。

「酒飲んでクダ巻いてんじゃねーよ」

「聞いてたの?」

「聞こえたんだよ」

 そっと隣に腰を下ろす。

 ジャズの色っぽい音色も手伝って、

 ちょっとドキドキしてしまう。

 何でここに来たの?

 梨香と話してたんじゃないの?

< 195 / 280 >

この作品をシェア

pagetop