恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~




「お前は俺のモノだ」

 ホテルの一室。

 ベッドの上で響く彼の甘い声。

「心も、体も、全部」

 そう。

 私、ずっとそんな風に言われたかったの。

「もうずっと離さねぇから」

 顔も声もセリフも、

 私の理想通りなのに……。

 バチィン!

「痛い! やだ、痛いよ!」

 彼の手は乱暴に私の体をぶった。

「いいよ、その顔。すっげーそそる」

 私は痛みと恐怖で泣きじゃくり、

 だけど怖さのあまり抵抗ができない。

< 2 / 280 >

この作品をシェア

pagetop