恋愛モラトリアム~夢見る乙女のオフィスラブ~

 大輔はポリポリと頭を掻き、

 もう一度ため息をついた。

「あれはホントショックだったなー。俺のこと大して知りもしないくせにって、思っても言えなかったんだよなー」

「何それ。あんた、私に何か隠してたの?」

 散らかった部屋も、DVDラックにあったAVも、

 隠さなかったくせに。

「あー、まあ、うん。今でも隠してるし」

「何隠してるの?」

「教えねーよ。秘密にしてんのがイイんだろ」

「気になるじゃん」

「気にしとけ」

「嫌よ」

 詰め寄ると、意地悪に笑った大輔が、

 暖かい手で私の顎を捕らえた。

「気にするってことは、俺にまだ興味があるってこと?」

 顔が、近い……。

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